戸室石の主成分である無水珪酸(SiO2)のSiは4価、即ち結合手が4本、アルミナ(Al2O3)のAlは3価、結合手が3本、Oは2価、結合手が2本、これらの構成から各分子の中で電子の片寄りが生じ、電荷が生れ、これを中和する形で電荷をもったイオン、又は分子が結合する。 即ち水中にミネラルイオンを溶出し、水中の不純物を吸着する。ミネラルイオンの溶出試験の結果は以下の通り。
ミネラルイオンの溶出試験
実験方法は浄化石(戸室石)の粉末30gを11の蒸留水に浸し、48時間温室で放置した後、上澄液を検水する。
水素イオン濃度 PH=7.5 乳白色無味無臭 検水11中に含有する主要成分及び分量(mg)
陽イオン |
カリウム(K+) |
3.4mg |
ナトリウム(Na+) |
6.3mg |
カルシウム(Ca2+) |
17.6mg |
マグネシウム(Mg2+) |
23.6g |
第一鉄(Fe2+) |
0.46g |
陰イオン |
塩素(Cl-) |
6.4mg |
硫酸(So42-) |
1.0mg |
ヒドロ炭酸(HCO3-) |
39.4mg |
非電導度 |
65μΩ/cm |
遊離成分 |
|
メタケイ酸(H2SiO3) |
7.8mg |
メタホウ酸(HBO2) |
1.4mg |
戸室石の水中の挙動を見ると、 水中にカリウム(K)、ナトリウム(Na)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)等のイオンが次の機構で放出され、
-SIOK |
⇒ |
SiO- |
+ |
K+ |
|
| | |
-SiO |
┓ |
|
|
|
┏ |
-SiO- | | |
|
┣ |
Ca |
⇒ |
⇒ |
┫ |
| + | Ca2+ |
-SiO |
┛ |
|
|
|
┗ |
-SiO- | | |
その際に遊離したSiO-は鉄イオン・水銀イオン等を吸着し、色素分子の中の+に荷電した窒素原子・大腸菌等のタンパク質中の+に荷電した窒素原子と結合すると考えられる。 下に試験例を示すと、
戸室石パウダーの大腸菌の吸着テスト
検定菌 |
Escherchia Coli 0-55 |
前培養培地→ |
2号培地 (g/1:ペプトン10、肉エキスト、食塩2.5 Ph=7.5) |
試験培地 → |
ドソキシコレート寒天培地 |
試験操作 → |
滅菌蒸留水 51入り三角フラスコを37℃の恒温槽中に保ち、一夜前培養した菌液及び試供品を準じ加えて試験液として、5分・10分・15分・30分、経過時の菌数を測定。 |
(1201の風呂桶に10gのパウダーを添加することを想定して添加量を決定した。37℃の湯温は老人入浴温度。)
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試供品 |
無添加 |
0.45g/51 (10g/1201) |
経過時間 |
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0 |
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2.8x105 |
2.8x105 |
5 |
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1.6x105 |
1.2x105 |
10 |
|
1.4x105 |
1.3x105 |
15 |
|
1.5x105 |
1.1x105 |
30 |
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1.6x105 |
1.0x105 |
イオン交換・吸着等浄化石の色々な反応の基になる浄化石1g当りの比表面積を測定した。
戸室石の比表面積(N2 - BET法)
資料・浄化石ー比表面積 17m2/g(粉末=250 メッシュ使用)
測定によれば細孔半径が10〜12オングストロームのものが多い。しかし細孔容積として積分値を出すと細孔半径が50〜100オングストロームのものが多いので水処理に適する。
メチレンブルー吸着試験(粉末250メッシュ使用)
原液濃度300ppmのメチレンブルー液100ccに浄化石を5.3g加えてやるとほぼ完全に脱色する。(24時間後)
戸室石の作用
1.戸室石は細穴を多数持ち、1gで17m2の表面積を持ち、斜長石の部分が風化してカオリン状になっているので先に述べたように吸着作用・イオン交換作用をもっている。
斜長石中には一部に方解石が存在して、浴用剤として使用した時の肌の爽快感やなめらかさをだす。
2.ミネラルの溶出 ミネラル(鉱物質)は生物発生の母体でもある岩石の成分でもあり、無機質栄養として全生物の発育生存に絶対不可欠なものである。必要量がごく少ないところから微量要素と呼ばれている。戸室石はこの重要な各種ミネラルを先の溶出試験が証明するように溶出します。
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