ビフィズス菌は働き者 |
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1. 乳酸や酢酸を生成し腸内を酸性に傾けることで、病原菌の感染から体を守る。
2. 腐敗細菌の発育を抑え、腸内腐敗産物の産生を抑制。
3. ビタミンB 群の産生。
4. 腸のぜん動運動を促し、便秘を防止。
5. 細菌性下痢の予防と治療。
6. 体の免疫力を増進。
7. 発ガン物質を分解。
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単糖、オリゴ糖、多糖 |
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糖 (糖質) は単糖類、オリゴ糖類および多糖類の3種類に分けられます。
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オリゴ糖って? |
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- 広義の多糖類のうち、元来二糖類以上六糖類までを意味しましたが、現在では十糖類程度までを含めることが多いようです。
植物では貯蔵物質として広く分布していますが、動物では主に複合糖質として存在しています。
- オリゴ糖は、消化性と難消化性(これが腸に有効)を含みます。
- 難消化性の成分が、成人における乳糖と同様に、腸内細菌のエサになり、腸内細菌(ビフィズス菌)を増殖させます。
- 研究が進んだ現在、いろいろなオリゴ糖が開発され、利用されるようになりました。おなかの調子を整える食品として、いくつかのオリゴ糖(キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ラフィノースなど)が特定保健用食品として利用されています。
- イソマルトオリゴ糖、大豆オリゴ糖は部分的に消化されますが、それらの生理的燃焼熱(エネルギー値)は約 3 kcal/g です。
- ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ラフィノースなどは難消化性であり、それらの生理的燃焼熱(エネルギー値)は約 2 kcal/g です。
- オリゴ糖を多量に摂取した場合、緩下作用 (下痢や軟便)を一時的に引き起こす場合があります。
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オリゴ糖が便通の改善に役立つ理由 |
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- 多量のオリゴ糖の摂取が一時的に軟便や下痢を引き起こす理由
- 糞便 (大便) の 30−60% は腸内細菌であり、残りが食物の不消化物です。
- オリゴ糖は、一般に、吸湿作用が強く、オリゴ糖を摂取すると、オリゴ糖は多量の水分を吸着し、消化管中を移動します。
- 大腸において、オリゴ糖が腸内細菌によって分解される、オリゴ糖に結合していた水分が遊離し、大腸の内容物の水分含量を増加させます。
- 水分含量の増加によって、大便の水分含量を適正値である 70−80% に近づける作用を示します。
- ただし、大便の水分含量が適正値である人では、一度に多量のオリゴ糖を摂取すると、大便の水分含量が増加しすぎて、軟便や下痢になることがあります。
- けれども、この軟便や下痢の症状は一時的なもので、通常、オリゴ糖の摂取に少し慣れると、大腸が元来持っている内容物の水分含量調節メカニズムの作用によって、これらの症状は起きなくなります。
- ちなみに、日常的に大便の硬い人は、多くの場合、水分含量調節メカニズムによって、大腸の内容物の水分含量が 70−80% より低く調節されます。
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オリゴ糖の摂取が便通を改善する理由 |
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- 水分含量が同じ場合、一般に、糞便に含まれる腸内細菌と不消化物の比率(腸内細菌/不消化物) が高いほど便通が良くなります。
- オリゴ糖は腸内細菌を増殖させるので、便通を改善します。
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オリゴ糖が腸内細菌中の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす理由 |
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- 腸内細菌は善玉菌 (ビフィズス菌などの乳酸菌) と悪玉菌 (大腸菌など) に分けられます。
- 腸内細菌のオリゴ糖分解によって乳酸や酢酸が生成され、腸内は酸性に傾きます。
- 酸性条件は、善玉菌の増殖を促進し、悪玉菌の増殖を抑制し、善玉/悪玉の比率を高めます。
- 悪玉は発癌性物質などの有害物質や、アンモニア、硫化水素などの悪臭物質を生成しますが、善玉はこれらを生成しません。
- オリゴ糖は腸の健康維持や腸癌などの障害の予防(整腸)に役立ちます。
- ただし、腸内細菌によるオリゴ糖分解速度が早いほど、生成される乳酸や酢酸の濃度が高くなり、高くなり過ぎると、下痢、軟便、腹痛などの症状が強くなります。したがって、腸内細菌、特に善玉菌による分解速度が適当に遅い種類のオリゴ糖ほど、健康に有用です。
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